中村 葵スタジオを立ち上げたのは2017年の秋でした。ミラノから帰国して大手事務所に勤めた数年間、「早く、安く、見栄えよく」という要求に応え続けるうちに、自分が本当に作りたい空間から遠ざかっていることに気づきました。転機になったのは、長野の古民家を個人的に改修したときのことです。100年以上前の梁を磨き、地元の左官職人と一緒に土壁を塗り直した経験が、「素材と時間」というテーマを改めて自分の中心に据えるきっかけになりました。
Timeless Design Renewは、住宅・商業空間のリノベーションと新規インテリアデザインを手がける東京のデザインスタジオです。素材の選定から施工監理まで一貫して担当し、10年後も色褪せない空間をつくります。

中村 葵スタジオを立ち上げたのは2017年の秋でした。ミラノから帰国して大手事務所に勤めた数年間、「早く、安く、見栄えよく」という要求に応え続けるうちに、自分が本当に作りたい空間から遠ざかっていることに気づきました。転機になったのは、長野の古民家を個人的に改修したときのことです。100年以上前の梁を磨き、地元の左官職人と一緒に土壁を塗り直した経験が、「素材と時間」というテーマを改めて自分の中心に据えるきっかけになりました。
Timeless Design Renewという名前には、「流行を追わない」という意志が込められています。竣工から5年後、10年後に訪れたとき、空間が静かに成熟していること。それが私たちの目指す仕上がりです。現在は東京・代官山のスタジオを拠点に、住宅リノベーションから小規模商業施設まで年間6〜8件のプロジェクトを手がけています。件数を絞っているのは、一つひとつのプロジェクトに中村 葵わるためです。外注に出すことはありません。
築38年の2LDKを、古材フローリングと珪藻土壁で全面改修。既存の鉄骨梁をあえて露出させ、真鍮の照明金物と組み合わせることで、時間の積み重なりを感じる空間に仕上げた。工期4ヶ月、工事費1,850万円。
苔をテーマにした15坪のカフェ。壁面には越前和紙を貼り、床は岐阜産の古材を使用。カウンター天板は大阪の工房で製作した厚さ40mmの真鍮板。照明はすべて調光対応で、朝と夜で空間の表情が変わる設計。
北軽井沢の林の中に建つ延床面積82平米の週末住宅。地元の唐松材を構造材と仕上げ材に使い、大開口の木製サッシから森の景色を取り込む設計。薪ストーブ周りの石積みは地元の石工職人が手がけた。

古材、和紙、珪藻土、真鍮など、時間とともに育つ素材だけを使います。輸入品は産地と製造者を直接確認してから採用します。
デザインを描いて終わりではありません。現場に週3回以上入り、職人との対話を通じて図面通りの仕上がりを確認します。
竣工から10年後の素材の変化、生活動線の変化を想定してプランを組みます。「飽きる」という感覚が起きにくい空間を目指しています。
予算が限られているほど、素材の優先順位と配置の工夫が問われます。全体予算の中で「どこに集中するか」を最初に決めるのが私たちの流儀です。
古材は「味がある」という理由だけで選ぶと、後で後悔することがあります。乾燥が不十分な材は施工後に反りや割れが出ますし、産地が不明な材は強度の保証ができません。私たちが岐阜の解体業者と直接取引を続けているのも、この確認作業を省きたくないからです。
Read more →越前和紙を壁に貼ると、光の表情が劇的に変わります。ただし、施工方法を間違えると剥がれや変色が起きます。私たちが山田工房と5年以上取引を続けながら学んできた、壁材としての和紙の扱い方をまとめます。
Read more →リノベーションの予算は、どこに集中するかで仕上がりが大きく変わります。「全部に均等にお金をかける」という発想では、どこも中途半端になります。私たちが初回ヒアリングで必ず確認するのは、「この空間で一番長く過ごす場所はどこですか?」という質問です。
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“築35年のマンションをどこまで変えられるか半信半疑でしたが、竣工後に初めて部屋に入ったとき、涙が出そうになりました。古い梁を残した判断が特に好きです。
田中 恵子 · 住宅リノベーション(渋谷区・2023年竣工)
“カフェのデザインを依頼しましたが、中村 葵が言語化できていなかったブランドの核心を空間に変えてくれました。お客様から『この店に来ると落ち着く』と言われるたびに嬉しくなります。
松本 拓也 · カフェ「Koke」オーナー(目黒区・2024年竣工)